相反する要素の「調和」を表現したインテリアデザインスタジオ

ロンドンのデザインスタジオ「DutchScot」が手がけた、Littlemoreのデザイン事例を紹介します。

Littlemoreは、ロンドンを拠点とするインテリアデザインスタジオです。伝統とモダン、ミニマルと装飾といった、相反する要素の調和から生まれる美しさをテーマに、独自の空間づくりを行っています。スタジオ名のLittlemoreも、「little(少し)」と「more(もっと)」という対照的な言葉を組み合わせたものです。

デザインでは、この「調和」がビジュアル・アイデンティティの中心になっています。イニシャルの「L」をモチーフとしたグラフィック要素を拡大・縮小するという斬新なアイデアによって、唯一無二のデザインを実現しています。

インテリアデザインスタジオの特徴を見事に捉えたVI

Littlemoreでは、その名の通り「little(少し)」と「more(もっと)」のような相反する要素が織りなす「調和」と、そこから生まれる美しさが大切にされています

この価値観はデザインにもしっかりと反映されており、イニシャルの「L」をモチーフとしたグラフィック要素の拡大・縮小によって表現されています。

この動的な要素は、インテリアデザイナーが空間をつくる過程を連想させると同時に、理想のバランスを追い求めるLittlemoreの哲学を表しています。

価値観を反映するタイポグラフィ

Littlemoreの目指す「調和」は、タイポグラフィにも見ることができます。レイアウトに応じて変化するタイポグラフィは、スタジオの柔軟性やバランス感覚の良さも彷彿とさせます。

使用されているフォントは「Portrait」です。古典的な文字のプロポーションを保ちながらも、直線的で幾何学的なモダンなセリフが特徴です。フォント選択においても、伝統とモダンという対照的な要素の調和が貫かれています

絶妙なバランスで組み合わされた多彩なカラーパレット

絶妙なバランスで調整された多彩なカラーパレットは、Littlemoreの手がける多様なプロジェクトや設計スタイルの幅広さが表現されています。どの色も悪目立ちすることなく、美しく調和しています。

インスタグラムのハイライトに使用することで、ブランドの世界観を行き渡らせています。

「らしさ」を広げる表現

プレゼン資料などでは、「L」の形状をレイアウトのルールに適用したり、SNSでは画像のフレームとして使用しています。「L」を軸にしたデザインによって、統一感を保ちながらも、様々な媒体で一貫したブランド表現を可能にしています。

▼Webサイトでも「L」の形状がレイアウトに活かされています。

▼トートバッグ

まとめ

今回紹介したLittlemoreのデザインは、「L」のモチーフを変化させるというダイナミック・アイデンティティの好例です。従来の静的なロゴに、動的なアプローチという新たな軸が加わることで、ブランド表現の可能性を大きく広げることができます。

デザインを手がけたDutchScotのWebサイトには、まだまだ魅力的なプロジェクトが多数掲載されています。特に、タイポグラフィのビジュアル・アイデンティティは参考になるものばかりです。興味のある方は、ぜひ一度チェックしてみてください!