ロンドン発のコリビングサービス「ARK」のブランドのらしさを広げるデザイン

ロンドンのデザインスタジオ「OMSE」が手がけた、ARKのデザイン事例を紹介します。
ARKは、ロンドン発のコリビングサービスです。コリビング(co-living)とは、シェアハウスとコワーキングスペースを1つにしたような住居施設のことで、欧米を中心に若者やリモートワーカーに広がりを見せています。
そんなコリビングの理想形とも言えるのがARK。ジムやプール、屋上テラスといった高級ホテル並みの設備を備え、一人ひとりが自分らしくいられる「我が家」のような空間を目指しています。
今回紹介するARKのデザインには、この居心地の良さや親しみやすさが見事に反映されています。ブランドのらしさを表現するアイデアが満載なので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
ブランド・アイデンティティを凝縮したロゴデザイン
ロゴはシンボルマークを使用せず、半円形のロゴタイプが特徴です。
これは、ブランド名の「箱舟」や「孤」をインスピレーションとしたもので、ブランドの性格である温かみや親しみやすさが表現されています。
シンボルに頼らず文字だけでコンセプトを表現することで、ブランド名そのものの印象が強くなっています。

半円形を軸に、ARKらしさを表現
半円形をビジュアル・アイデンティティの軸にすることで、ARKらしさを表現しています。サインやドアマットなどのインテリア、写真のフレームなど、いずれもARKらしさをさりげなく印象づけています。




ホームページでは半円形がメッセージや写真の配置、カルーセルに反映されており、個性的な表現に繋がっています。

各施設に合わせた拡張性の高いデザイン
半円型を軸にすることで、タイポグラフィに自由度を持たせています。これによりARKブランドを保ちつつ、施設ごとの雰囲気に合った柔軟な表現を可能にしています。
施設の一つであるARK Wembleyでは、アメリカの古い活版印刷フォントからインスピレーションを得た「F37 Stout」が使用されています。

▼異なるタイポグラフィであるにも関わらず、ARKブランドをしっかり感じることができます。

笑顔を引き立てる完璧な組み合わせ
微笑みのようにも見える半円型のロゴが、笑顔の写真をより引き立てています。


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デザイナーの成長に必要なアドバイス
今回、OMSE創業者のJames Kapeさんから、デザイナーとして成長するための貴重なアドバイスをいただくことができました。
I’d say that critical thinking and creative direction are key. We’re living in a time where the tools we use to create are evolving rapidly, making it easier than ever to produce high-quality work. However, what hasn’t changed is the need to generate strong ideas, provide direction, and set a clear vision. With that in mind, if you’re considering learning new skills, I believe it’s essential to focus on these areas.
クリティカルシンキングとクリエイティブディレクションが鍵になると思います。私達が使うツールは急速に進化しており、これまで以上に高品質な作品を簡単に生み出せる時代です。しかし、変わらないのは、強いアイデアを生み出し、方向性を示し、明確なビジョンを設定する必要性です。これを踏まえた上で、新しいスキルを学ぶことを考えているのであれば、これらの分野に注力することが重要だと思います。
AIの急速な進化によって、高品質なデザインが誰でも簡単に作れる時代になっています。しかし、そのデザインのアイデアや方向性を決めるのは人間のクリエイティブな思考に他なりません。どのデザインが最適で、どのようなビジョン・ストーリーを伝えるべきか、デザインのセンスや思考がこれまで以上に問われています。
まとめ
今回紹介したARKのデザインは、ロゴの形状を活かし、らしさを強調しながらも統一感のあるデザインを実現しています。ブランドの世界観を形にする手法として、非常に参考になる事例です。
デザインを手がけたOMSEのWebサイトでは、ほかにも魅力的なプロジェクトが公開されています。ぜひ、他の作品もチェックしてみてください!
