映像制作会社「SAKASpace」の研ぎ澄まされたミニマルデザイン

驚くほどミニマルで、クール。

それが今回紹介するインドネシアの映像制作会社・SAKASpaceのデザインです。手がけたのはジャカルタを拠点とする「W」です。

Wは、インドネシアの格安航空会社・Citilinkや、インドネシアを代表するミネラルウォーター・Danone Aquaなど、国内のさまざまな大手クライアントを抱える、注目のデザインスタジオです。

そんなWが手がけたSAKASpaceのデザインは、これ以上ないシンプルさでブランドのDNAを見事に表現しています。ブランディングの新たな視点が得られる素晴らしいデザインなので、是非最後までチェックしてみてください。

ブランドアイデンティを見事に反映したロゴタイプ

ロゴタイプの「K」から伸びる光は、映像を投影するプロジェクターをイメージしており、SAKASpaceの事業内容がシンプルに表現されています。また、光の先にある「A」にスポットライトが当たることで、「最高品質の映像制作を提供する」というブランドプロミスを視覚的に表現しています。

分析によって導き出された根拠のあるデザイン

競合他社の多くはエンターテインメントのイメージから「フレッシュさ」や「楽しさ」を前面に押し出したブランディングが多い一方で、ユーザーは、そうした華やかさ以上に「低リスクで信頼できるパートナー」を求めていることがわかりました。

無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインによって、競合とは異なる存在感を放ち、誠実さとプロフェッショナルさを印象づけています

また、ブランドカラーの黒が、この信頼感や存在感を一層際立たせています。スポットライトとの相性も抜群で、最適なカラー選択になっています。

シンプルなのにインパクトのあるロゴ

ロゴをより印象的にしているのは、横幅の広いExtended系のサンセリフを採用した点です。これによって、シンプルでありながらも存在感のあるデザインになっています。

モダンな書体を選択したことで、最先端の技術を感じさせる未来的な雰囲気を醸し出しています

細部への強いこだわり

シンプルであるからこそ、隠れたディテールへのこだわりが感じられます。特に、スポットライトのグラデーションは秀逸です。「K」のカウンターを表現しながらも、スポットライト感がしっかり感じられます。

スポットライトをキービジュアルに世界観を統一

スポットライトは、ブランドの「らしさ」を象徴する重要なキービジュアルとして機能しています。

特に「幅広い業界への対応力」をスポットライトで表現するというアイデアは、クリエイティブに対するセンスの高さを感じさせます。

伸縮可能な拡張性の高いデザイン

スポットライトは、横にも縦にも自由に変形できる柔軟なデザインになっており、名刺や封筒など最適なバランスで調整されています。こうした細やかな設計によって、ブランディング全体に統一感が生まれています。今後どんなツールが増えても対応できる、拡張性の高いデザインです。

ロゴの拡大・縮小だけでなく、スポットライト部分が可変できるという選択肢があることで、表現の幅を大きく広げることができます。多様な表現が可能になることで、デザイナーとしては収まりの良いデザインを見つけやすくなります。

スポットライトをアクセントに、デザインの幅を広げる

スポットライトのみでも、ブランドの「らしさ」が表現されています。背景やレイアウトの一部に組み込むことで、ブランドの世界観を伝えるアクセントとして機能しています。

まとめ

日本では欧米のデザイン事例が紹介されることが多いため、インドネシアの最前線のデザインシーンに触れられることは、デザイナーにとって本当に貴重な体験です。この素晴らしいデザインの掲載を快くご承諾いただいたWの皆さんに、改めて心より感謝申し上げます。

Wの公式サイトやSNSでは、他にも素晴らしいデザインが数多く紹介されています。ぜひチェックしてみてください↓