「Remy Architects」の柔軟な設計思想を形にしたモジュール式可変ロゴ

アルゼンチン出身のグラフィックデザイナー・Julia Miceli Pittaが手がけた、Remy Architectsのデザイン事例を紹介します。
Remy Architectsは、ブエノスアイレス・アブダビを拠点とする国際的な建築設計事務所です。国内外で数多くの賞を受賞し、アルゼンチンを代表する建築スタジオの一つとして知られています。「機能性」を重視しつつ、クライアントや地域の文化に応じた「柔軟な設計」を特徴としています。
このスタジオの多様な建築スタイルを表現するため、デザインにはモジュール式の可変ロゴが取り入れられています。
スタジオの「柔軟性」をモジュール式の可変ロゴで表現
デザインの最大の特徴は、モジュール式の可変ロゴです。これは、プロジェクトごとに設計スタイルを変えられるという、スタジオの柔軟性をインスピレーションとしています。
デザイナーのJuliaは、そのスタイルの柔軟性をまるで「カメレオン」のようだと表現し、今回のロゴに見事にマッチしています。

文字を回転させたり伸ばしたりすることで、多様な表現が可能になります。この動的なシステムによって、紙媒体からデジタル媒体まで、ブランドの統一性を保ちながらも個性的なビジュアルを生み出しています。


ブランドイメージを高める絶妙なカラーパレット
デザイナーのJuliaが「カメレオン」と表現するスタジオの特徴は、カラーパレットにも現れています。カメレオンを連想させるグリーンやイエローをアクセントにしながらも、ポップになりすぎず、ハイエンドな建築に定評のあるブランドイメージをしっかり保っています。




大胆さと信頼感を両立するフォント選択
ロゴには「Titling Gothic FB」が使われています。タイトルや見出しに最適な書体で、約50種類もの膨大なスタイルが特徴です。モジュール式の可変ロゴにとって、その多様な表現を支える最適な書体です。
本文などでは、王道の欧文フォント「Helvetica Neue」を採用。デザイン全体に洗練さと安定感が加わり、大胆さと信頼感を絶妙に両立させています。



その他のデザイン事例



デザイナーの成長に必要なアドバイス
今回、デザインを手がけた・Julia Miceli Pittaから、デザイナーとして成長するための貴重なアドバイスをいただくことができました。
Break rules: I studied graphic design, but I push the boundaries of what it means to be a ‘graphic designer.’ Instead of viewing my practice as something with a clear beginning and end, a specific role, or a fixed expertise, I see it as something that evolves and changes.
ルールを破る:私はグラフィックデザインを学びましたが、「グラフィックデザイナー」という枠にとらわれずに活動しています。自分の仕事を、明確な始まりや終わり、特定の役割、固定された専門性があるものと捉えるのではなく、むしろ進化し変化していくものとして捉えています。
Juliaはグラフィックデザイナーであると同時に、Webデザイン、アニメーション、写真の分野でも高い専門性を持っています。また、ラテンアメリカの名門・ブエノスアイレス大学の講師としての顔も持つ、まさに「超人」です。
彼女自身のキャリアこそが、「ルールを破り、枠を超える」という姿勢を体現しており、その言葉には実体験に裏打ちされた強い説得力があります。
まとめ
今回紹介したRemy Architectsのデザインは、「ロゴは固定でなければいけない」という固定概念を打ち破る、先進的なブランディング事例です。
デザインを手がけたJuliaのWebサイトやSNSには、今回紹介した作品以外にもたくさんの魅力的なプロジェクトが公開されています。クリエイティブな刺激が欲しい方は、ぜひチェックしてみてください!

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ブエノスアイレス、ロンドン
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