オンラインポスターショップ「Wallbaby」の大胆で自信溢れるブランディング

今回は、スウェーデンのデザインスタジオ「SNASK」が手がけた、Wallbabyのデザイン事例を紹介します。
Wallbabyは、スウェーデン発のオンラインポスターショップです。世界中のアーティストとのコラボレーションによって、家が火事になったとしても、真っ先に持ち出したくなるようなポスターを販売しています。
そんなWallbabyのアートへの情熱を、SNASKは巧みなタイポグラフィで見事に表現しています。
タイポグラフィによるビジュアル・アイデンティティ
Wallbabyのビジュアル・アイデンティティの中心は、タイポグラフィです。ロゴと見出しに「Graúna」フォントを採用し、大胆で自信に満ちたブランドイメージを表現しています。また、ポスターをイメージしたドロップシャドウを加えることで、ユニークで存在感のある印象に仕上がっています。

細かな使用ルールで、統一感のあるデザインを実現
「Graúna」を使用する時は全て大文字表記とすることや、使用できる最大行数も考えられています。このような細やかな設計によって、一貫性のあるデザインを実現し、Wallbaby独特の世界観を作り出しています。



特殊文字・グリフを活かし、個性的なデザインに
フォントのアルファベット以外の文字にも着目し、特殊文字・グリフを使用することで個性的な表現を可能にしています。フォントの個性が、ビジュアル・アイデンティティに最大限活かされています。

タイポグラフィを装飾要素に、パターンやフレームを制作
繰り返しパターンを包装紙に使用したり、画像のフレームに使うことで、タイポグラフィを単なるテキスト要素から装飾要素に変えています。


ドロップシャドウをビジュアル・アイデンティティの一部に
ロゴの特徴的なドロップシャドウは、ブランドイメージを強化する重要な要素になっています。ドロップシャドウには独自のルールが設けられており(斜め45°、文字の高さの半分の太さの影)、このスタイルを他の要素に適用するだけで、Wallbabyらしいデザインを作ることができます。ロゴがなくても一目でWallbabyを感じさせる、強力なビジュアル要素です。

アーティスティックな写真が、ブランドの世界観をより印象的に
ポップで大胆なビジュアル・アイデンティティに、アーティスティックな写真を組み合わせることで、より印象的な世界観を作り出しています。この絶妙なアンバランスさが、逆にブランドの個性を際立たせています。


その他のデザイン




必見!SNASK創業者のデザイナーへのアドバイス
今回、SNASKの創業者であるFreddie Öst氏から、デザイナーとして成長するための貴重なアドバイスをいただくことができました。
The ones I think could be valuable that many overlook is learning how to sell yourself and your craft and skill. It’s something many designers lack but it’s super important. In order to grow this is something you simply can’t ignore. The other one is daring to be bold and to make some enemies along the way by standing up for your opinions and beliefs.
多くの人が見落としがちな、私が価値があると思うことの一つは、「自分自身や自分の技術・スキルをどう売り込むかを学ぶこと」です。これは多くのデザイナーに欠けているものですが、とても重要なことです。成長において、絶対に無視することはできません。もう一つは、大胆になる勇気を持ち、自分の意見や信念を貫くことで、時には敵を作る覚悟を持つことです。
世界最大級のカンファレンスでの講演やオリジナルビールの開発など、セルフブランディングに長けたsnaskだからこそ、この言葉にはとても説得力があります。どれだけ優れた技術やセンスを持っていても、それを人に「伝え・売り込む力」がなければ、評価されずに終わってしまうことを改めて痛感させられます。
まとめ
今回紹介したWallbabyのデザインは、タイポグラフィのアイデアが満載です。
もっと見たいという方は、SNASKのサイトをチェックしてみてください。他にもタイポグラフィを活かしたデザインを数多く手がけているので、インスピレーションが得られること間違いなしです!
