実務で使えるフリーフォントを見つける!デザイナー必読のライセンスの基本

「ご利用の際はライセンスをご確認ください。」
フリーフォントサイトを見ていると毎回のように出てくるこの一文。ライセンスが英語でよくわからないので、結局Adobe Fontsを使っているというデザイナーは多いのではないでしょうか。
そこで今回は、デザイナーがクライアントワークで使えるフリーフォントを探す際に、知っておきたいライセンスの基本について解説します。
このページを読めば、実務に使えるフリーフォントが簡単にわかるようになり、ライセンス確認が怖くなくなります!
- 01フリーフォントのライセンスがよくわからない
- 02実務に使えるフリーフォントがどれなのか知りたい
- 03代表的なフリーフォントのライセンスを知りたい
個人利用のみのフリーフォントは一切使用しない
フリーフォントには、大きく分けて「個人利用のみ」「商用利用可能」の2種類が存在します。
個人利用のみのフォントは、商用版の購入を考えていてテスト的に使ってみたいという用途以外は、ダウンロードを避けた方が無難です。個人利用がどこまで許されるのかが人によって曖昧ですし、解釈の違いによって思わぬトラブルにつながることもあります。また、時間が経つとどんなライセンスだったかを忘れてしまい、間違ってクライアントワークに使ってしまうリスクもあります。
実務で使用するなら、商用利用可能なフォントはマストです!
商用利用OKだから良い訳じゃない!
商用利用が可能でも、ライセンスの内容は制作者ごとに異なります。例えば、クレジット表記が必要であったり、製品の販売個数を制限しているものもあります(例:フォントを使用してデザインしたTシャツ1000点まで)。
そのため、案件にどんどん使っていきたいという場合は、最低でも「クレジット表記不要」のフォントであることが重要です。
商用利用可、クレジット表記不要のライセンス
「個別に規約を確認するのが大変だ!」という方は、以下のライセンスを覚えておいてください。
いわゆる「オープンソースライセンス」と呼ばれるライセンスです。ただ、オープンソースライセンスであればなんでも実務に使えるという訳ではありません。
「商用利用可」「クレジット表記不要」のフォントを探している場合は、下記のライセンスのものを使うようにしましょう!
実務で使えるフォント系ライセンス
- SIL Open Font License(OFL)
- Public Domain
- CC0
- GUST Font License
実務で使えるソフトウェア系ライセンス
- Apache License 2.0
- MIT License
- WTFPL
ソフトウェア系ライセンスは、本来はソフトウェア向けに設計されたライセンスですが、フォントにも採用されています。この場合によく「クレジット表記」の扱いで誤解されやすいポイントがあるので、以下にまとめます。
・フォントファイルを再配布する場合:
Webフォントとして自分のサーバーからフォントファイルを配信する場合など、フォントファイル自体を再配布する場合には、著作権表示やライセンス文を追加する必要があります。
・グラフィックデザインで使用する場合:
フォントファイルの再配布ではないので、クレジット表記の必要はありません。
SIL Open Font License(OFL)
商用利用可能フォントで最もよく見られる、フォントライセンスの代表的な存在です。ロゴ・名刺・チラシなど、幅広いグラフィックデザインに使用できます。
Public Domain
著作権が消滅、または著作権者によって放棄された状態のフォントです。グラフィックデザインはもちろん、Webフォントとしても制限なく利用できます。
商用利用:可能
クレジット表記:不要
商標登録:可能
Webフォント:可能
CC0
7種類あるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの一つで、著作権者が著作権を放棄することを宣言したフォントです。前述の「Public Domain」とほぼ同じと考えて問題ありません。クライアントワークに安心して使用できます。
「CC BY」「CC BY-SA」など、残り6つのライセンスは全てクレジット表記が必要です。実務で使うなら「CC0」一択です。
GUST Font License
学術分野で使われる文書作成・組版システムであるTeX・LaTeXの普及・教育支援を目的とする非営利団体・GUST(ガスト)が策定・公開したフォントライセンスです。主に、TeX向けに開発されたフォントで使用されています。このライセンスの「TeX Gyre Heros」は、Helveticaの代替フォントとしてグラフィックデザインでも広く使用されています。
Apache License 2.0
ソフトウェア系ライセンスの一つですが、フリーフォントでも採用されることの多いライセンスです。
このライセンスでよく誤解されるのが「6. Trademarks(商標)」の部分です。これはプロジェクト名にApacheという名称を含めたり、Apacheのロゴが使えないということです。独自のロゴの商標登録を禁止するものではありません。
MIT License
前述のApache License 2.0と同様、ソフトウェア系ライセンスで覚えておきたいライセンスです。クライアントワークに使っても問題ありません。
WTFPL
「Do What The Fuck You Want To Public License(好き勝手にやっていいパブリックライセンス)」の略で、その名の通り「最も自由で型破りなライセンス」です。基本はソフトウェアですが、ごく稀にフォントでも採用されています。
誤解されがちだけど実務でも使えるライセンス
GNU General Public License(GPL)
GNU General Public License(GPL)は、ソフトウェア系ライセンスの代表的なライセンスの一つで、強力なコピーレフト型のライセンスとして知られています。コピーレフトとは、利用・改変・再配布の自由を認める一方で、その自由を派生物にも同じ条件で引き継がせるという考え方です。
このことから、GPLフォントを使用してデザインしたロゴや印刷物まで、派生物とみなされるのではないかと誤解されがちです。そうであれば、クライアントは「自社のものなのに自由に使えない」という状況になってしまいます。
しかし、GPLが想定している「派生物」は、プログラムそのものです(.otfや.ttfなどのフォントファイルなど)。
そのプログラム(GPLフォント)を使って作成されたデザインは、派生物には該当しません。
商用利用:可能
クレジット表記:不要
商標登録:可能
Webフォント:△
※Webフォントの利用は解釈が曖昧なため、実務では避けるべきです。ただし、フォント例外(Font Exception)があれば使用可能です。
フリーフォントサイトで気をつけること
違法アップロードに注意する
ユーザー投稿型のフリーフォントサイトでは、違法にアップロードされたフォントが混ざっていることがあります。すぐにダウンロードせず、一度Webで作者やフォントを検索するようにしましょう。作者のページが見つかれば、ライセンスを確認し、そこからダウンロードするのが安全です。
作者のページが見つからなかったり、フォントを配布していない場合もあります(プロフィールのみ)。その場合には、複数のフォントサイトに登録があるかを調べましょう。審査制を採用しているサイトがほとんどなので、複数のサイトに登録されていれば信頼性を判断する一つの目安にできます。
正しいライセンスか確認する
フリーフォントサイトに記載されているライセンス情報が、実際と異なる場合もあります。記載されている情報を鵜呑みにせず、必ず自分でも確認するようにしましょう。
ダウンロード後のフォルダに「LICENSE」「README」などのテキストファイルがあれば、そちらも必ず確認してください。
サイトの評判をチェックする
そもそもフリーフォントサイトが怪しくないか、一度Webで検索するようにしましょう。
海外のサイトであれば、Redditなどの掲示板を確認するのもおすすめです。「freefont.com reddit」などのキーワードで検索し、過去のトラブルや評判をチェックしてみてください。
まとめ
今回の記事では、実務で使えるフリーフォントを探す上で覚えておきたい、ライセンスの基本をまとめました。
いくつかライセンスを紹介しましたが、特に以下のライセンスは、クライアントワークに安心して使える代表的なライセンスです。覚えておいて損はありません!
特に覚えておきたいフォント系ライセンス3選
- SIL Open Font License / OFL
- Public Domain
- CC0
